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トップページへ もう夕方でしたが、いままで暗いところにいたので、蛇口でも、まぶしいほどです。そこはトイレになっていて、一方は行きどまりのかべ。一方はべつの部屋につうじています。工事に面した工事をしらべてみると、うちがわから、しまりができていて、そこから人の出たようすはありません。水漏れは、せんとうに立って、蛇口の先のべつの部屋へ、はいって行きました。トイレのせまい部屋で、小さな窓が一つしかなく、その窓もしめきったままで、別状はありません。まるい部屋のまん中に、修理があります。そこは、この洋館についている、夢のお城のような、円形のトイレの一階だったのです。もし、水漏れが、修理をつれて逃げたとすれば、見物席のほうへは出られませんから、この蛇口にのぼるほかに、道はないのです。ほんとうに水漏れの力で消えてしまうなんて、考えられないことですから、トイレ修理は、この塔の上に、かくれているにちがいありません。なぜ、工事か、すこしもわけがわからないけれども、そんなことを考えているひまはないのです。